文章オブジェクトとは
私たちは、文書作成とシステム開発の作業フローが似ているところに着目しました。そこで文書を最小単位の要素(文やフレーズなど)に分解し、レゴブロックやパズル、ルービックキューブのように組み立てることが可能な『文章オブジェクト』としてシステム管理する手法を考えました。この文章オブジェクトをデータベースに格納し、再利用可能な文書の部品として活用することで、製品マニュアルや法令、契約書などの複雑な文書を効率的に作成できます。
ポイント
- ・文書を最小単位の要素(文やフレーズなど)に分解
- ・レゴブロックやパズルのように組み立てることが可能
文書作成の効率化
マニュアルなどでは共通の文章が頻繁に使われます。それら共通の文章を最小単位のオブジェクトとして管理すれば、新たな文書を効率的に作成できます。また文書作成において、文章量に応じて複数人が作業分担し、執筆やチェックをすることはよくあります。その際、文章をオブジェクトとして管理しておくことにより、文章単位で担当者の作業を分担することができます。
作業効率の向上
文章オブジェクトが更新されると関連する文書も自動的に更新され、文書作成の作業効率が飛躍的に向上します。
修正漏れを防ぐ
更新が必要な文章がどの文書に使われているか一覧表示ができるので、更新の際に修正漏れを防ぐことができます。
複数の文書へ適用
加筆・修正された文章はデータベースに上書き保存され、該当の文章オブジェクトに紐づいている他の文書にも更新が反映されます。
作業分担
担当者の作業を文章オブジェクト単位で分担することができるので、リンク情報や内容の齟齬など、複数の文書を同時に効率よく修正することができます。
文書管理のシステム化
文書管理はシステム開発のモジュール管理に似た方法で、文章を加工・加筆できるようデータベースに格納して、オブジェクト(文章のかたまり)として管理します。そうすることで、文書構成の検討や執筆作業を効率的に進めることができます。また、文章を最小単位でオブジェクト化することにより、表現や文書構造の統一を図ることができます。
ドキュメント管理
文章オブジェクトの変更があった場合、その文章に影響を受ける全ての文書を一覧化し、修正が必要な箇所を明示します。また、文章にIDを付与して管理することで、紐づく文書を見つけ出し修正漏れを防ぎます。
バージョン管理
文書作成とシステム開発の作業フローはとても似ています。もちろんバージョン管理においても同様で、文章を最小単位でオブジェクト化して管理することで、より詳細に文書を管理することができます。
一覧化して更新管理
作成した文書にどのような文章オブジェクトが利用されているかを管理できるので、文章オブジェクトが更新された際は、同様の文章がある文書も更新することができます。また、常に文章オブジェクトの一覧を参照できるようにしておけば、修正もれや更新もれを防ぎ、文書を最新に保つことができます。
文章オブジェクトに適したUI
私たちはこれまでオブジェクト化された文章を、画面上でどのように扱えば文書作成がスムーズに行われるか?研究を重ねてきました。その結果、文章をレゴブロックやルービックキューブのように画面上で組み立てる手法が最も適していることが解かり、この仕組みをUIデザインに適用するに至りました。
システム側で柔軟に加工・編集できるようにデータ化した文章(文章オブジェクト)を、画面上でもモノ(文章オブジェクト)として扱い、加工・編集して組み立て文書を完成させる一貫した概念の元、フロントエンドからバックエンドへ情報を立体的に扱うユーザー体験をご提供しています。
ブロックを組み立てる
文章をレゴブロックやルービックキューブのように動かして組み上げます。
ブロックを取り除く
不要な文章オブジェクトを取り除いたり、復帰させて文章を組み上げます。
差異を抽出
類似した文章の中から異なる文・フレーズを抽出して選択できるようにします。